大阪・中之島 レクシア特許法律事務所のブログです。
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2021年3月17日水曜日

意匠ではなく商標で保護するデザイン

松井です。

2020年度はコロナ禍の中においても、いろいろな団体で、意匠法改正の講演を行いました。
その中で、副題としてよくいただいたのが、
「特許と意匠のミックス」
「意匠と商標の関係」
など、意匠と別の産業財産権との違いやミックスを解説するような内容です。

商標については立体商標や新しい商標がありますので、
意匠とリンクする場面が増えてきています。

そこで、今期行った講演の中から、
意匠ではなく商標で保護するのが適当と思える登録例を紹介したいと思います。

【液体を含んでいるもの】
以下は、キッコーマン(TM)さんの醤油の卓上容器ですが、醤油が入っています。
この状態で意匠登録は不可と思われますが、商標は登録可能です。
(むしろ、需要者は醤油が入っている状態を見ているので、その方が使用による識別力の立証がしやすいと思われる)



以下のスライドで、右端はコロナビール(TM)ですが、
ビール瓶にビールが入っていてライムが添えられているところは、まさに商標の出番でしょう。意匠では登録不可と思います。
(なお、左側と中央の立体商標は複数物から構成されますので、意匠での登録はセット物に該当するかどうか悩ましいところです)



【複数物】
以下は、チュッパチャップス(TM)やフリスク(TM)の販売店での飾り付けと思われます。
意匠では、セット物に該当しない限り、多物品として登録不可の可能性ありと思われます。
しかし、このような複数物からなるデザインは立体商標として登録可能です。



以下は、パッケージの中にさらに物品が含まれているものです。
これらのものも多物品の恐れがあるので、意匠登録は悩ましいですが、商標登録は可能です。


立体商標で文字ありのものは、要部が文字にあるかもしれず、権利の実体が形状にない可能性があります(それに対して意匠では文字は要部にならず形状が要部になる可能性が高い)。
しかし、文字も含めて複数物や液体を含んでいるものなどを立体商標登録しても、牽制球としての効果は十分に果たすと思われますし、いざという場合には有名性を立証することで形状その他に要部を持っていくことも可能と思います。

意匠と商標の使い分けの一例です。

(特許との使い分けもまた紹介したいと思います)

松井宏記


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2021年2月5日金曜日

「最新/意匠・デザインの法律相談Ⅰ・Ⅱ」発刊のお知らせ

松井です。
久々のブログで失礼します。
最近は、緊急事態宣言中につき、在宅勤務と出勤を繰り返しています。

そんな中、かつてより、デザイン関係の法律相談書、実務書として評価が高かったあの本が、内容新たに発刊されました。

「最新/意匠・デザインの法律相談Ⅰ・Ⅱ」青林書院

IとIIの二冊。分厚いです。

日本を代表するデザイン関係の法律家によって、
たくさんの質問に答える形で、
なるべく平易な言葉で説明されています。

私も執筆陣に加えていただき、下記問いについて執筆しました。

Q24 部分意匠
Q25 関連意匠・基礎意匠
Q56 類似意匠及び関連意匠の効力
Q96 世界の意匠制度

部分意匠や関連意匠の実例について多くの事例を挙げて説明しました。
また、「Q96世界の意匠制度」は壮大すぎるテーマのためクラクラしましたが、主要国の意匠制度について事例を交えながら比較しました。

他の先生方の記事を読んでいても大変勉強になります。
まさに日本のデザイン法制について広く詳しく知るにはもってこいの書籍です。


是非ご一読いただけましたらと思います。
(店頭配本は本年2月11日頃とのことです)

松井宏記

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2020年9月4日金曜日

デザイン開発段階からの意匠商標サポート事例

鈴木です。

 

弊所クライアントである中西金属工業株式会社(以下、「NKC」といいます)の製品サイトにて、弊所が少し登場しますので、ご紹介させて頂きます。


ブログ中「弁理士の友人」として登場するのが私です(笑)。

 

サイトURL

掲載ブログ:https://note.com/ideaboard/n/nda71a78b4489

トップページ:https://ideaboard.info/

 

(https://note.com/ideaboard/n/nda71a78b4489より)



本サイトは、NKCがデザインし、2019年グッドデザイン賞を受賞した、新しいホワイトボード「ideaboard」の紹介サイトです。

その中の開発ストーリーを綴ったブログに弊所が登場します。

弊所は、デザインの開発段階から出願まで、意匠商標の知財面のサポート役として関わらせて頂きました。

 

弁理士がデザインの開発段階から関わることはなかなかありませんので、「ideaboard」の意匠権取得を代理させて頂いたことは、私にとって、デザインの開発過程を現場で経験する素晴らしい機会となり、大変勉強になりました。


今回のように、弊所は、出願や係争事件だけでなく、デザインの開発段階から意匠商標その他の知財面のサポート役として協力させて頂きます。

お気軽にご相談ください。

 

なお、NKCは「ideaboard」のほかにも、世界初の冷却機能付きごみ箱「CLEANBOX」もデザインし、グッドデザイン賞を受賞しました。

CLEANBOX」についても弊所が知財面のサポートをさせて頂きました。

 

サイト紹介

Ideaboardhttps://ideaboard.info/

CLEANBOXhttps://cleanbox.jp/



鈴木行大


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2020年7月15日水曜日

新しい意匠の保護対象の出願現状

松井です。

先日、特許庁が改正意匠法のポータルサイトを立ち上げました。
https://www.jpo.go.jp/system/design/gaiyo/seidogaiyo/isyou_kaisei_2019.html

その中で、新しく意匠の保護対象になった「画像自体」「建築物」「内装」についての出願件数が発表されています。
https://www.jpo.go.jp/system/design/gaiyo/seidogaiyo/document/isyou_kaisei_2019/shutsugan-jokyo.pdf
改正意匠法に基づく新たな保護対象についての意匠登録出願状況
(令和2年7月13日 特許庁審査第一部意匠課)より抜粋

画像自体の出願が一番多く、建築物、内装が続くという形になっています。

登録されて公報が出るのは今年の年末くらいかと思いますが、
どのような登録意匠が出てくるか楽しみです。

予想では、
建築物は店舗が多いのかなと思います。
内装は店舗の他にもオフィスもあるかなと思います。

改正意匠法は、施行後すぐにコロナによる緊急事態宣言が出されたのですが、
影響はあるとは思いますが、出願は進んでいるようです。

松井宏記


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2020年4月13日月曜日

特許庁「事例から学ぶ 意匠制度活用ガイド」ウェブ版の発行

松井です。

特許庁から「事例から学ぶ 意匠制度活用ガイド」ウェブ版が発行されました。

2017年より本ガイドの冊子はありましたが、
この度、ウェブ版、しかも令和元年意匠法改正対応版が発行されました。



冊子のPDFはこちら。

いままで特許は活用しているが、意匠についてはノウハウがない、意匠権活用の事例が知りたい企業にピッタリの冊子になっています。

私も、企業の方々との話のなかで、このような話によくなります。
特許出願を多数行ってきて、意匠も活用しようということになったが、ノウハウがなく、事例が知りたい、
関連意匠の実例が知りたい、意匠活用企業の事例が知りたい、意匠権活用の成功例が知りたい。。
そのような企業にお読みいただくのにピッタリの冊子です。

冊子中60ページ、61ページでは、私が意匠制度活用のコツについてコラムを書き、
意匠権の具体的活用方法、特許と意匠のハイブリッドプロテクションについても解説しています。


(「事例から学ぶ 意匠制度活用ガイド」P.60. P.61)

是非、「事例から学ぶ 意匠制度活用ガイド」をご覧いただき、意匠制度をご活用いただけましたらと思います。

松井宏記

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2020年4月3日金曜日

新型コロナウィルス感染症の影響により期間を徒過した手続きの救済手続

田中景子です。

特許庁より、特許、実用新案、意匠及び商標に関する特許庁に係属中の出願または審判事件等について、新型コロナウイルス感染症の影響により、期間を徒過した手続への救済手続が公開されました。

1.特許庁に係属中の出願または審判事件について、新型コロナウイルス感染症の影響により、指定期間に手続きができなくなった場合は、手続ができなかった事情を説明する文書を添付し、必要と認められる場合には、指定期間を徒過していても有効な手続として取り扱うものとされます。

2.手続期間が法律等で定められている手続きについて、新型コロナウイルス感染症の影響により、所定期間内に手続きができなくなった場合は、後記<1>乃至<4>に定める救済手続期間内に限り手続をすることができます。これら手続きの場合も、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて手続ができなかった事情を説明する文書を添付しなくてはならず、必要と認められる場合は、有効な手続として取り扱うものとされます。

以下、救済手続期間と救済される手続きについて、特許庁ホームページから抜粋します。

<1> 14日以内に手続することで救済が認められる手続
手続が可能となってから14日以内に手続をしてください(在外者の場合は2月以内((7)について在外者の場合は1月以内))。ただし、所定期間経過後6月以内に限ります。((6)については所定期間経過後9月以内、(7)については所定期間経過後2月以内、(21)及び(23)については所定期間経過後7月以内)。

(1)新規性喪失の例外規定の適用を受けるための証明書の提出(特30条4項、意4条4項)
(2)パリ条約による優先権主張に係る優先権証明書の提出(特43条8項、実11条1項、意15条1項、意60条の10第2項、商13条第1項)
(3)特許出願の分割(特44条7項、実11条1項)
(4)実用新案登録出願又は意匠登録出願から特許出願への変更(特46条5項)
(5)実用新案登録に基づく特許出願(特46条の2第3項)
(6)特許権の存続期間の延長登録出願(改正前特67条の2第3項、改正前特施令3条ただし書)
(7)改正前特許法第67条の2の2第1項の規定による書面の提出(改正前特67条の2の2第4項)
(8)特許料(登録料)の納付(特108条4項、実32条4項、意43条4項、商41条4項、41条の2第4項、65条の8第5項)
(9)既納の特許料(登録料)の返還請求(特111条3項、実34条3項、意45条、商42条3項、商65条の10第3項)
(10)拒絶査定不服審判の請求(特121条2項、意46条2項、商44条2項)
(11)再審の請求(特173条2項、実45条1項、意58条1項、商61条)
(12)出願審査の請求の手数料又は過誤納の手数料の返還請求(特195条13項、実54条の2第12項、意67条9項、商76条9項)
(13)実用新案登録の明細書等の訂正(実14条の2第6項)
(14)実用新案登録無効審判請求の取下げ(実39条の2第5項)
(15)参加申請手数料の返還に係る参加申請の取下げ(実54条の2第6項)
(16)補正却下決定不服審判の請求(意47条2項において準用する意46条2項、商45条2項において準用する商44条2項)
(17)意匠法第60条の6第1項の規定により意匠登録出願とみなされた国際出願(以下「国際意匠登録出願」という。)に係る個別指定手数料の返還請求(意60条の22第3項)
(18)商標出願時の特例の規定による証明書の提出(商9条4項)
(19)国際登録の取消し後の商標登録出願(商68条の32第6項)
(20)マドリッド協定議定書の廃棄後の商標登録出願(商68条の33第2項で準用する商68条の32第6項)
(21)国際特許出願における発明の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための証明書の提出(特施規38条の6の3)
(22)国際特許出願又は特許法第184条の20第1項の申出をする場合におけるパリ条約による優先権主張に係る優先権書類の提出(特施規38条の14第1項)
(23)国際意匠登録出願における意匠の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための証明書の提出(意施規1条の2)

<2> 2月以内に手続することで救済が認められる手続
手続が可能となってから2月以内に手続をしてください。 ただし、所定期間経過後1年以内に限ります。((7)から(9)までについては所定期間経過後6月以内)。
(1)外国語書面出願の翻訳文の提出(特36条の2第6項)
(2)出願審査の請求(特48条の3第5項)
(3)特許料(登録料)及び割増特許料の追納(特112条の2第1項、実33条の2第1項、意44条の2第1項)
(4)外国語特許出願の翻訳文の提出(特184条の4第4項)
(5)国際特許出願における在外者の特許管理人の選任(特184条の11第6項)
(6)外国語実用新案登録出願の翻訳文の提出(実48条の4第4項)
(7)商標権の存続期間の更新登録の申請(商21条1項)
(8)後期分割登録料及び割増登録料の追納(商41条の3第1項)
(9)防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新登録の出願(商65条の3第3項)

<3> 優先権の主張について
優先権の主張を伴う出願をすることができる期間の経過後2月以内に手続をしてください。
(1)特許出願等に基づく優先権主張(特41条1項1号括弧書、実8条1項1号括弧書)
(2)パリ条約の例による優先権主張(特43条の2第1項)
(3)特許協力条約に基づく国際出願に係る優先権主張(国際出願法施規28条の3第1項)

<4> 特許協力条約に基づく国際出願について
手続が可能となった後できる限り速やかに手続をしてください。ただし、所定期間経過後6月以内に限ります。
(1)特許協力条約に基づく国際出願の手続に係る書面の提出(国際出願法施規73条の3第1項)

出典:特許庁ホームページ:新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続の取り扱いについて(https://www.jpo.go.jp/news/koho/info/covid19_tetsuzuki_eikyo.html

田中景子


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2020年3月10日火曜日

意匠法改正の大きなポイントはココ!(2)

松井です。
ブログ更新が滞っており失礼しました。

改正意匠法の施行が本年4月1日に迫り、いろいろと準備を進めている企業も多いと思います。

前回は、意匠法改正の重要ポイントとして、関連意匠の改正で本意匠が改正前出願のものでも大丈夫ということをお話ししました。

今回は、重要ポイントの2点目として、建築物と内装についてです。

建物については、現状、「組立家屋」としてハウスメーカー等の住宅は意匠登録されています。



【組立家屋(個人住宅)の意匠登録】


【組立家屋(集合住宅)の意匠登録】


組立家屋ではない建築物と内装は、新しく意匠の保護対象に加えられるわけですが、
多数の出願が予想される建築物とは何でしょうか。

おそらく店舗でしょう。
店舗外観、店舗内装です。

いろいろな業界で、製品やパッケージの見た目によるブランディングが行われています。
店舗の見た目もその例外ではなく、店舗外観によって他社との差別化が行われています。
また、その差別化に成功している店舗は需要者の記憶に残り、営業活動が拡大するとともに、従来店の信用を引き継いで多店舗展開が可能になります。

建築物や内装の相談や依頼が増えてきていることから、店舗外観や内装での差別化に注力されていることがわかります。

飲食店に限らず、販売店、コンビニ、ガソリンスタンドなど、町で見かける店舗は保護対象になります(新規性等の要件をクリアしているものに限る)。


【自動車販売店の例】



日本全国に展開していて、(文字商標ではなく)店舗外観だけで需要者に認知されているような店舗は、立体商標での登録可能性があります。
しかし、新規性があってこれから建築される建物は、まずは意匠登録がお勧めです。意匠登録なら関連意匠や部分意匠を利用して戦略的な権利取得が可能です。また、本意匠を出願して登録すれば、以後10年間、店舗のバリエーションを関連意匠として追加できます。


【立体商標の例(文字商標あり)】

 本年4月1日以降、どのような建築物や内装が意匠出願されるか、楽しみです。

松井宏記


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2020年1月17日金曜日

意匠法改正の大きなポイントはココ!

松井です。

久々にブログに登場で失礼します。

12月は、研修講師で日本各地に行っていました。
お題は「意匠法改正」や「デザインのブランド化を法的視点から解説」など、
意匠法改正の内容、戦略、商標と絡む分野の話です。
本年4月1日に、改正意匠法の施行が迫っていますので、今年もセミナー依頼が続いています。

ところで、意匠法改正にはいろいろポイントがありますが、
最も注意が必要なのはどれでしょう?

画像意匠の対象が広がった、建築物や内装が意匠登録できるようになる、これらはもちろん重要です。しかし、関係のない会社も多いと思います。

みなさんに関係があるのは、関連意匠の改正です。
本意匠の出願から10年間出願できるようになる、関連の関連を出願できるようになる、これらは、おそらく、今後の意匠出願の戦略、タイミング、関連の展開を大きく変更するかもしれません。
(個人的には、今まで通り、出願時に本意匠と関連をマッピングの上出願するのがベストと思います。しかし、10年後までの出願、関連の関連は、保護を広げるものであることは間違いないと思います。)

しかし、もう一点、関連意匠には隠れた大きなポイントがあります。
それは、改正意匠法の施行後、関連意匠を出願する場合、その時点で10年前までに出願されたものを本意匠とすることができるということです。改正前に出願されたものでも本意匠になります。

つまり、現状では、関連意匠は本意匠の意匠公報発行後は出願できませんが、改正後は改正施行日を跨いで10年前までに出願された本意匠に基づいて関連意匠を出願できるようになります。
しかも、自社製品が公知になっていても、「自己の意匠」(改正意匠法10条2項)として公知とは扱われないことになります。

よって、過去に、本意匠の公報が発行されたから関連意匠の追加を諦めた事案がある場合には、本年4月1日以降、関連意匠として出願することができる場合があります。さらに、その関連の関連も出願することができるようになります。

現在販売中の商品があって、さらに意匠による保護を拡張したい場合には検討が必要です。

しかし、詳しい要件がありますので、詳細は私までお問い合わせください。


松井宏記



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2020年1月10日金曜日

【商標実務】「類似商品・役務審査基準」改訂〔国際分類第11-2020版対応〕

宗助です。
本年もどうぞよろしくお願いします。

さて、令和2年1月1日より、特許庁の「類似商品・役務審査基準」が改訂されています(国際分類第11-2020版対応)。

主な変更点は、下記リンク「第11-2020版主な変更点」に記載のとおりです。
(外部リンク:JPOウェブサイト)。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/ruiji_kijun/document/ruiji_kijun11-2020/omona_henkouten.pdf

特に、これまで認められていた、第30類「菓子」「○○を使用した菓子」「○○を加味した菓子」等の表示が認められなくなった点には、注意が必要です。


(引用元URL:JPOウェブサイト)
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/ruiji_kijun/document/ruiji_kijun11-2020/omona_henkouten.pdf

上記以外にも多数変更点がありますので、詳細については、以下のリンク「変更点一覧」をご参照頂ければと思います。
(外部リンク:JPOウェブサイト)。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/ruiji_kijun/document/ruiji_kijun11-2020/henkouten_ichiran.pdf

本年も当ブログでは、商標実務に関する最新情報を随時ご提供させて頂きます。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

宗助智左子


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2019年11月20日水曜日

【商標実務】ミャンマー商標法その後(再商標出願の詳細)

田中景子です。

ミャンマー新商標法(以下、「新商標法といいます)につきまして、進捗をお知らせいたします。

JETROのウエブサイトによると、知的財産関連法(商標法、工業意匠法、特許法、著作権法)が2019年5月24日に成立致しました。また、現地代理人のニュースレターから、2020年1月に知的財産庁が設立され、これに合わせて同法も施行される見通しとなった模様です。

商標に関しては、2020年1月から6月までの半年間、知的財産庁はいわゆるプレ・オープン期間(soft-opening period)を設け、商標の所有権宣誓書の登記が完了している商標のみを対象に商標出願(以下、「再出願」といいます)を受け付けるとのことです(この間、新規の商標出願は受け付けないようです)。

現地代理人からの情報によると、再出願には主に下記の書類・情報が必要となる見込みです。
(a) 商標見本
(b) 商標所有者の名称及び住所
(c) 指定商品(登記内容と同一のこと)
(d) 優先権を主張する場合、それをサポートする書類
(e) 所有権宣誓書(登記済)のスキャンコピー(原本が必要となる可能性あり)
(f) ミャンマーで本件商標をすでに使用している場合、その使用証拠(下記に例示(i)~(vi))及びミャンマーでの最初の使用日
 (i) 商標の所有権宣誓登記をした際の新聞公告
 (ii)パンフレット
(iii) 税務伝票(tax voucher)
(iv)輸入書類
(v)商標が付された商品が市場で販売されている写真など。

使用証拠に関しては、新商標法によると、「輸出用の商品やその包装に商標を付する行為」も「商標の使用」に含まれると規定されています(商標法51条(a)(3))。
したがって、ミャンマーにおいて輸出用の製品を製造し、当該製品あるいは製品の包装に本件商標を付している場合は、それを撮影した写真も、使用証拠となるかもしれません。

再出願の期間(2020年1月~6月)は、知的財産庁に多くの再出願が申請されることが予想されます。現地代理人の情報では、抵触する商標がある場合に、その順位の先後を決めるには、所有権宣誓書の登記日の先後、あるいは、ミャンマーでの使用開始日の先後が斟酌される可能性があるとのことです(商標法の施行規則は決まっておりませんので、明確ではありませんが、商標の使用証拠等は事後的に提出できるのではないかと思われます)。

いずれにしましても、所有権宣誓書の登記が完了している商標については、所有権宣誓書(登記済み)、新聞公告、使用証拠(もしあれば)の準備を開始され、再出願の手続きは、再出願が可能な期間(2020年1月~6月)のできるだけ早めに行うことをお勧めいたします。

情報元:
・JETROホームページ(https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/71e93053e5ff2e43.html
・ミャンマー商標法(JICA仮英訳):https://www.jica.go.jp/project/myanmar/006/materials/ku57pq00003l09s6-att/trademark.pdf
・Investip事務所ニュースレター
・Tilleke&Gibbins 事務所ホームページ(https://www.tilleke.com/resources/soft-opening-online-filing-system-under-myanmars-new-trademark-law

田中景子


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2019年10月25日金曜日

【商標実務】中国商標関連情報(使用意思のない悪意の商標登録出願について)

宗助です。

先日、当ブログで、「中国における自社商標の他人による先取り出願・登録への対応」についての記事を書かせて頂きましたが、その後も引き続き、「中国における自社商標の他人による先取り出願・登録」についてのご相談を受けることが非常に多いです。
クライアント様ご自身による公報ウォッチングや中国商標局データベース検索により発見されるケース、また拒絶決定書において同一・類似の先行商標として引用されて発見されるケースが大半です。

先日の記事でもお伝えしたとおり、この度改正される「中華人民共和国商標法」において、「使用意思のない悪意の商標登録出願について、商標局は審査の段階で拒絶をすることができ、また何人も異議申し立て、無効審判を請求することができる」との条文が追加されます(2019年11月1日より施行)。
よって、「他人による先取り出願・登録」に対して、真の権利者が異議申立または無効審判を行う際には、当該係争商標が「使用意思のない悪意の商標登録出願」に該当することを異議理由・無効理由として主張立証することが有用です。

上記商標法改正に関連し、先日、中国国家市場監督管理総局より「商標出願登録行為の規範化に関する若干規定」が公布されました(中国現地代理人事務所(北京衆天揚知識産権代理有限公司)が作成した同規定の日本語訳はこちらです)。
同規定では、2019年11月1日より施行される改正「中国商標法」第4条(上記追加条文)の適用に関する詳細な規定が設けられています。例えば、同規定は、使用意思のない不正な商標出願について、出願審査の段階、異議申立の段階、登録不許可再審の段階、拒絶再審の段階、無効審判の段階でその登録を棄却・無効宣告することができることを明確に定めています。

なお同規定において、「商標法」第4条(上記追加条文)の適用に際しては、下記(一)~(六)の点を総合的に考慮することができる旨を定めています。
(一) 出願人又はこれに関連する自然人、法人、その他の組織が出願した商標出願の数、指定商品役務の区分、商標の取引状況等。
(二) 出願人が所属する業界、経営状況等。
(三) 過去になされた行政決定又は裁定、司法判決において、出願人が悪意の出願行為若しくは他人の商標権への侵害行為を行ったと認定されたこと。
(四) 出願商標と、一定の知名度を有する他人の商標とが、同一又は類似であること。
(五) 出願商標と、著名な人物の氏名、企業の商号、企業名称の略称、その他の商業・標識等とが、同一又は類似であること。
(六) 商標登録部門が考慮すべきと考えるその他の点。

上記規定は2019年12月1日から施行されますが、施行日前に登録された悪意の商標登録について、上記規定が適用されるか否かについては、まだ明確になっておりません。

今後、更に詳しい審査基準等の改正があると考えますので、新たな情報が入り次第、またご紹介させて頂きたいと思います。

宗助智左子


情報出所:
中国国家知的産権局の公式サイト:
http://www.cnipa.gov.cn/zfgg/1143015.htm
中国国家知的産権局商標局 中華商標網:
http://sbj.cnipa.gov.cn/zcfg/sbxzgz/201910/t20191017_307435.html
中国現地代理人事務所(北京衆天揚知識産権代理有限公司)のウェブサイト:
http://www.dayup-ip.com/index/news.html



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2019年9月27日金曜日

【商標実務】ミャンマー新商標法その後

田中景子です。

過去の投稿で、
ミャンマー新商標法(以下、「新商標法といいます)が2019年1月30日に議会を通過したとお伝えしておりましたが、進捗について現地代理人から報告が届きました。

残念ながら、新商標法の施行のための規則がまだ完成しておらず、新商標法の施行時期は、具体的にはまだ決まっていません。

(1)現状
上記の通り、新商標法の施行のための詳細(手続、必要書類、費用など)を定める施行規則が完成していません。また、知財局もまだ完成されていないとのことでした。
現地代理人の推測では、規則作成までにさらに約5か月を要するとのことです。したがって、新商標法の施行は、来年以降にずれ込む見込みです。

(2)当面のミャンマーでの商標の保護について
従来通り、商標の「所有権の宣誓」及び「所有権登記」の申請が可能です。現地代理人によると、新商標法では、所有権登記の申請日が第一出願日としての優先権を得ることができるとのことです。新商標法の施行までにはまだ時間を要すると思いますので、同国での商標保護には、商標の所有権の宣誓及び所有権登記を申請を行うことをお勧めいたします。

以上

現地代理人:NTT IP Co., Ltd、KHINE KHINE U LAW FIRM

田中景子

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2019年8月14日水曜日

【商標実務】メキシコ商標法改正による使用宣誓の提出

田中景子です。

メキシコ産業財産法の改正(2018年8月10日施行)において、
使用宣誓に関する改正がありました。

メキシコの商標登録(メキシコを指定国とする国際登録も含む。)は、
以下の2回のタイミングで使用宣誓の義務があります。

(1)メキシコ国内登録から3年経過した時期の使用宣誓
(2)更新の時期の使用宣誓

1.使用宣誓の概要
上記(1)及び(2)の各ケースについて以下にまとめました(表をクリックすると大きくなります)。



2.留意点
使用宣誓書の不提出は、メキシコの商標権の失効を招きます。
現地代理人を介さないマドプロ出願は、特に注意が必要です。
以下、留意点です。

(1)「メキシコ国内登録から3年経過した時期の使用宣誓」の場合は、マドプロ出願が保護認容を受けている場合、2018年8月10日以降にメキシコで国内登録となっていないか((1)の使用宣誓の義務が生じていないか)、現地代理人に確認することをお勧めします。少なくとも、IMPIのウェブサイトでメキシコの国内登録日を確認することを強くお勧めします。商標登録証は、現地代理人がない場合、IMPIから発送はされませんので、ご留意ください。

(2)「更新の時期の使用宣誓」の場合は、2018年8月10日以降に、メキシコを含む国際登録の更新申請を行った場合には、WIPOから送付された更新証明書の日付から3か月以内ですので、ご留意ください。

最後に、使用宣誓に記載された商品役務のみに保護が継続しますので、使用宣誓に記載する商品役務にも注意が必要です。
可能な限り包括的に記載するのが望ましいことから、実際に使用している商品役務を踏まえ、どのように使用宣誓に記載するか、現地代理人の助言を求めることをお勧めします。

田中景子


出典:
・WIPO Information Notice No.13/2018, No14/2018
https://www.wipo.int/edocs/madrdocs/en/2018/madrid_2018_13.pdf
https://www.wipo.int/edocs/madrdocs/en/2018/madrid_2018_14.pdf
・ 特許庁ホームページ(メキシコ産業財産法の改正(参考訳)、メキシコを指定した国際登録:標章の実際に効果的な使用の宣言に係る提出要件(参考訳))
https://www.jpo.go.jp/system/trademark/madrid/madrid_teiyakukoku/hyoushyou_mexico.html
https://www.jpo.go.jp/system/trademark/madrid/madrid_teiyakukoku/sangyozaisanho_kaisei_mexico.html
・WIPRの記事「The consequences of the new Mexican rules」
https://www.worldipreview.com/contributed-article/the-consequences-of-the-new-mexican-rules
・WIPO日本事務所(マドプロ担当)への電話照会。


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2019年7月30日火曜日

【商標実務】中国商標法改正

宗助です。

クライアントの皆さまから、「中国における自社商標の他人による先取り出願・登録への対応」についてご相談を頂くことがよくあります。
この場合、その出願・登録に対して、異議申立・無効審判・不使用取消審判のいずれかを請求する対応がメインです。

これに関連し、既にご存知の方も多くいらっしゃるかと思いますが、2019年4月23日に、中国の第十三回全国人民代表大会常務委員会第十回会議において、「中華人民共和国商標法」の改正を行うとの決定が下されました。

特に「使用意思のない悪意の商標登録出願について、商標局は審査の段階で拒絶をすることができ、また何人も異議申し立て、無効審判を請求することができる」と改正された点は、上記「中国における自社商標の他人による先取り出願・登録」に対して異議申立・無効審判を行う場合の根拠として、非常に有用であると考えます。

これまでは、このような「他人による先取り出願・登録」に対して決定打となるような根拠条文がなかったことを考えれば、今回の改正により、「他人による先取り出願・登録」の取消・無効に有用な根拠条文が追加されたことは、真の権利者にとって、非常に有利な改正点ではないかと思います。

使用意思がないことをどのように判断するか等、具体的な判断基準は追って決定されるようです。今後の動向を引き続きフォローアップしたいと思います。
なお、当該改正は2019年11月1日より施行されるとのことです。

弊所では、中国の現地代理人と綿密に連携・協力し、「中国における自社商標の他人による先取り出願・登録」への対応を行っております。
お困りの場合は、是非一度ご相談を頂けますと幸いです。

宗助智左子


情報出所(中国語):
中華商標協会(CTA)
http://www.cta.org.cn/ldjh/201904/t20190429_50148.html
中国商標局
http://sbj.cnipa.gov.cn/zcfg/201905/t20190528_301475.html


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2019年7月24日水曜日

【意匠実務】意匠審査基準ワーキンググループ開始

松井です。

本日、意匠審査基準ワーキンググループが開催されます。
配布資料等はこちらで見ることができます。

改正意匠法はすでに確定していますが、詳細は審査基準で決めることが多くなっています。
以下のスケジュールで開催されるようですが、各回ともに必見です。
(特に、山場は9月・10月開催の関連意匠、画像、建築物、内装かと。)

【WG 開催日と主な検討項目(予定)】
■第15回 WG(今回)
  ・全検討事項の概要
  ・基準改訂の方向性
  ・創作非容易性要件の明確化
  ・物品区分表の廃止
■第16回 WG(2019年9月頃開催予定)
・関連意匠
■第17回 WG(2019年10月頃開催予定)
  ・画像意匠
  ・建築物・内装意匠
  ・不登録事由
  ・組物の意匠・一意匠の考え方
■第18回 WG(2019年11月頃開催予定)
・報告書案
■第19回 WG(2019年12月頃開催予定)
  ・予備日(必要に応じて開催)
■意見募集手続
■第19回又は第20回WG(2020年1月頃開催予定)
  ・意見募集後の改訂点(必要に応じて開催)

今日から来年に向けて、かなりのスピードで色々なことが決まっていくと思います。
弊所でも審査基準の動向を常にチェックしていきたいと思います。

松井宏記

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2019年7月22日月曜日

【商標実務】「アディダス三本線」商標から見た欧州における図形商標の識別力

田中景子です。

欧州連合(EU)では、ご存じのとおり、欧州連合商標(EUTM)の商標登録を取得すれば、EU全域にその効力が及びます。EUTMは、EU加盟国(28ケ国)で個別に国内登録するよりも経済的で手続も簡易です。
審査は、主として識別性のみです。先行商標の有無は審査されません。EUTMでは、識別力が認められ、出願公告期間に異議申立がなければ、早く商標登録ができるメリットがあります。

一方で、EUTMの出願では、不安定要素もあります。

第1に、EUTMには、無効審判があり、無効理由は、識別力などの絶対的拒絶理由、先後願などの相対的拒絶理由の双方です。商標登録できたとしても、EU内に同一類似の先行商標権者がいる場合、無効審判を請求されるリスクがあります(ただし、無効理由のあるEUTMが5年以上登録および使用されていることを黙認していた先行権利者は、そのEUTMの商標登録の有効性を争うことができません)。

第2に、EUTMでは、識別力の判断は、EU域内の需要者・取引者を基準にします。たとえば、EU域内の一部の国のみで使用されている標章であっても、EUTMの審査で記述的商標に該当するとの拒絶理由を受ける場合があります。また、使用による識別力獲得の立証範囲はEU全域です。

最近の例では、2014年にEUTMの登録が認められたアディダス3本線の商標がありましたが、2016年にベルギーの会社から欧州連合知的財産庁(EUIPO)に無効審判が請求されて無効になりました。


アディダスはこれを不服として、欧州連合一般裁判所(General Court of the European Union)に提訴していました。裁判所は、使用証拠が登録商標と同一でなかったこと(黒の背景に白のストライプなど配色が登録商標と逆であるなど)、使用証拠はわずか5つの加盟国に関するものであることから、3本線商標は、EU全域において使用による識別力を獲得したとはいえないとして、EUIPOの無効審決を支持しました(現時点では欧州司法裁判所(ECJ)への上訴の有無は不明です)。

本件から分かることは以下の2つです。

第1に、3本線商標は、EUIPOの審査では識別力を欠くとの拒絶理由を受けずに登録となったものの、無効審判では識別力を欠き、且つ、セカンダリーミーニングも有さないとして、無効にされました。EUIPOの審査をクリアしていたとしても、無効審判で登録無効となるリスクに注意が必要です(逆にいえば、EUで使用の障害となる先行登録商標があった場合も、識別力を欠く場合、対抗措置として、無効審判を請求する選択肢があります)。

第2に、識別力が弱いと思われる商標については、EUTMにおけるセカンダリーミーニングの立証は、願書に記載された商標(「商標の説明」を含む)と使用商標の一致性の判断が厳密に行われていること、且つ、5つの加盟国だけでの立証は不足しており、EU全域の需要者の間で広く認識されていることを立証する必要があることがわかります。

本件を参考に、識別力が弱いと思われる商標のEUTM出願の場合には、権利の安定性と立証の厳密性についてご注意ください。

田中景子

資料:
The General Court of the EU confirms the invalidity of the adidas EU trade mark which consists of three parallel stripes applied in any direction:
https://curia.europa.eu/jcms/upload/docs/application/pdf/2019-06/cp190076en.pdf


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