最近、こんなニュースがありました。
韓国で中国人の商標登録が倍増、日本を追い抜く―韓国メディア
中国企業・個人が韓国商標出願した件数が、2010年には1,246件だったが、2014年には2,622件になり、2倍以上に増加したというニュースです。一方、日本企業・個人が韓国に商標出願した件数は、2010年が3,862件、2014年は3,131件で約2割減とのことです。
2015年1月から4月の出願件数で見ると、日本が1,015件、中国が1,126件で、中国が日本を追い抜いた状態とのことです。
中国から韓国への商標出願が増加している理由は、中韓両国の自由貿易協定(FTA)交渉が2010年から開始されたことが最大の原因と分析されています。
では、中国企業・個人の日本への商標出願はどうでしょうか。
特許行政年次報告書2015によりますと、以下のようなデータが発表されています。
(出典:特許行政年次報告書2015 第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状 P.34)
中国から日本への直接出願は、2010年は1,259件、2014年は1,521件で微増傾向、
マドプロによる日本指定は、2014年は749件で2010年も同様と思われます。
合計すると、微増傾向です。まだ、爆発的出願(爆買ならぬ”爆願”)とは言えない状況です。
しかし、中国は、2013年の国内出願が1,848,858件(1出願1区分時代)あった国です(日本は117,674件)。中国国内出願の1%(約18,000件)が日本に来る時代になっても、日本出願にすると10%以上増えます。
なぜこういう分析をするかというと、中国からの問い合わせが増えているからです。単なる料金問い合わせではなく、中国各地から具体的案件の問い合わせが増えています。従前とは違った感じがします。他の弁理士も同様かもしれません。
今後の日中の政治動向・経済動向によっては、中国からの”爆願”があるかもしれません。
その時、日本企業が取るべき対策は? ”爆願”の波に飲まれることのないように、自社商標は手堅く登録しておくことが第一歩ではないでしょうか。
松井宏記
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