大阪・中之島 レクシア特許法律事務所のブログです。

2012年4月27日金曜日

関西の商標実務 → KTK商標審判決研究班

松井です。

今日は、勉強会の紹介を。。

関西特許研究会(KTK)内に、「商標審判決研究班」があります。
小生は、この研究班の世話役(班長)を永年務めています。

2ヶ月に1回のペースで会合を開催して、その時の最新の商標系の審決と判決を報告し合います。毎回、審決担当と判決担当を決めて報告していただいています。

要は、この会合に参加し続けることにより、商標実務の大きな流れが分かるようになっています。また、その審判決を題材にして、参加者である弁理士(事務所及び企業)同士で実務的な議論を行います。判断に対する意見や、それを踏まえた上での出願方法など、意見が飛び交います。参加者は、商標エキスパートの弁理士から、商標はあまりタッチしていない弁理士まで様々です。

商標実務の感覚、特に類否、識別力、混同についての感覚を身につけるためには、審判決例を多く読み、実際の判断基準やその流れに乗ることが必須です。商標実務は常に変化しています。流れがあります。「昔はこうやったのになぁ」というのはNGです。「今」の感覚を身につけることが求められます。よって、商標系の弁理士は、このような勉強を継続する必要があります(特許系弁理士も同じでしょうが。。)。

そして、会合後は・・、懇親会です!
これも(が)楽しみなんです!さらに具体的議論が交わされます。関西の商標業界について色々と話がでます。

(懇親会の様子。いい顔してますね〜)


KTK会員の方は、また是非ご参加ください。

松井宏記

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2012年4月24日火曜日

只今、事務所内部の模様替え中

松井です。

最近、LEXIAでは、意匠商標実務担当者と事務担当者を募集していましたところ、幸いにも、それぞれ採用が決定しました。

よって、近々、2名増えて、合計11名(内弁理士6名、弁護士資格も有する者1名を含む)の事務所になります。

2011年1月の事務所開業時には4名でスタートしていますので、開業から1年4ヶ月で、ほぼ3倍です。頭を使って机等の配置を工夫しないと収まりません。

というわけで、今日の就業後と明日の朝一番で、所内の模様替えをし、机やパソコン等々も増設します。すでに、物の配置は決めてスペースを確保したので、後は明日朝一番の物の搬入を楽しみに待つのみです。

さらに、事務所としてパワーアップしたいと思います。

松井宏記


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2012年4月20日金曜日

第10回LEXIA知財セミナー(契約セミナー)のご報告

4月19日に、第10回LEXIA知的財産セミナー「知財部員が最低限知っておくべき 知的財産契約の基礎と落とし穴」を開催致しました。講師は山田弁護士・弁理士でした。レクシアセミナー初の単独講演です。

(セミナー前。山田弁護士・弁理士を囲んで)


本セミナーは申込開始から二週間ほどで、申込が定員の120名に達しました。当日も112名の方々にご参加いただきました。誠にありがとうございます。正に満員御礼でした。

(会場の様子)



セミナーでは、以下のような事項について説明させていただきました。

(1) 契約に関する民法の基本ルール

(2) 開発型知財契約の基礎と落とし穴
秘密保持契約、共同開発契約、研究開発委託契約の留意点
冒認出願の移転請求権

(3) ライセンス契約の基礎と落とし穴
ライセンス契約の留意点
通常実施権の当然対抗制度

(4) グループ企業間のライセンスに関する移転価格税制の注意点



セミナー後のアンケートを拝見させていただきますと、本セミナーが日常業務にお役に立ちそうとのご回答を多くいただきましたので、大変うれしく思います。また、今後のセミナーに関する示唆も頂戴しまして、感謝申し上げます。

レクシアの法務部門は、山田弁護士・弁理士が担当しています。知財系の契約案件などの法務マター、警告案件や訴訟等の係争マターも、山田弁護士・弁理士が中心となり、さらに各専門分野の弁理士がサポートに回って事件を担当しています。訴訟系のセミナーについても、また企画して開催させていただきたいと存じます。

最後に、本セミナーにご参加いただきました皆様に厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。

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2012年4月16日月曜日

意匠商標系実務担当者の募集を終了しました。

先日来、意匠商標系実務担当者を弊所ウェブサイト等にて募集していました。

募集開始より多数のご応募をいただき、この度、採用者を決定致しました。
これにて、意匠商標系実務担当者の募集を一旦終了させていただきます。

(レクシアでは、日本及び外国への意匠商標出願が増大していますので、今後も必要に応じて募集をさせていただきます。)

新しいレクシアメンバーについては、後日、弊所ウェブサイト及びブログにて紹介させていただきます。

これで、レクシア意匠商標部門の層もさらに厚くなりますので、着実、丁寧、迅速なサービスの提供に努めて参ります。


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2012年4月10日火曜日

クレームの文言についての考察 第1回

立花です。

これから、数回に亘って、クレームの文言に関する考察を実務ネタとして公開していきます。

第1回は近似的文言の解釈です。

「約」「付近」等の近似的文言がクレームに記載の数値に付されていたら、技術的範囲はどのように解釈されるのでしょうか?
この点については、「燻し瓦の製造法」事件(平成6年(オ)2378最高裁判決)で、判示されています。

本件特許発明のクレームは、以下の通りであり、窯温度がポイントです。

「LPガスを燃焼させるバーナーと、該バーナーにおいて発生するガス焔を窯内に吹き込むバーナーとを設けた単独型ガス燃焼窯の、バーナー口を適宜に密封できるようにすると共に、該燃焼窯の煙突口の排気量を適時に最小限に絞り又は全く閉鎖する絞り弁を設け、さらに前記LPガスを未燃焼状態で窯内に供給する供給ノズルをバーナー以外に設け、前記単独型ガス燃焼窯の窯内に瓦素地を装てんし、バーナー口及び煙突口を解放してバーナーからLPガス焔を窯内に吹き込み、その酸化焔熱により瓦素地を焼成し、続いてバーナー口及び煙突口を閉じて外気の窯内進入を遮断し、前記のバーナー口以外の供給ノズルから未燃焼のLPガスを窯内に送って充満させ、1000℃~900℃付近の窯温度と焼成瓦素地の触媒的作用により前記の未燃焼LPガスを熱分解し、その分解によって単離される炭素を転移した黒鉛を瓦素地表面に沈着することを特徴とする単独型ガス燃焼窯による燻し瓦の製造法。」

一方、被上告人の製法は、本件特許発明と同様にLPガスを充満させて燻化させる方法ですが、被上告人の方法では、窯内温度を以下のように設定していました。

被上告人Eの製造方法の窯内温度:
      燻化開始時の窯内温度880℃、燻化終了時の窯内温度850℃
被上告人Gの製造方法の窯内温度:
      燻化開始時の窯内温度890℃、燻化終了時の窯内温度860℃

以上のような状況で、争点は、「被上告人EとGの製造時の窯内温度が、本件特許発明の1000℃~900℃付近に該当するか否か?」ということでした。

原審である名古屋高裁は、以下のように、発明の作用効果を参酌することなく、燻化温度が1000~900℃であることを理由に、「付近」の意義はその温度の幅(100℃)よりもかなり狭い範囲を指すと認定しました。

「『付近』の意味する幅が問題となるが、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明のいずれにも、右「付近」の幅を判断するについて参酌すべき内容はない。特許請求の範囲に記載された右燻化時の窯内温度は、特許発明の技術的範囲を画する要件であり、燻化温度について摂氏一〇〇〇度ないし摂氏九〇〇度「付近」という摂氏一〇〇度程度の幅を設けているから、「付近」の意義は摂氏一〇〇度よりもかなり狭い幅を指すことは明らかである。したがって、被上告人Eらの実施する燻し瓦の製造方法は、本件発明の特許請求の範囲にいう燻化時の窯内温度を充足するものではない。」

これに対して、最高裁は、以下のように、「付近」の意味する幅は、窯内温度の作用効果を参酌して判断すべきことを示し、原審に差し戻すと判決しました。

「本件発明の特許請求の範囲にいう摂氏1000℃ないし摂氏900℃『付近』の窯内温度という構成における『付近』の意義については、本件特許出願時において、右作用効果(注:黒鉛の表面沈着によって生じる燻し瓦の着色効果)を生ずるのに適した窯内温度に関する当業者の認識及び技術水準を参酌してこれを解釈することが必要である。」

「原審は、前記の通り、本件発明は窯内温度が1000℃付近で燻化を開始し、900℃付近で燻化を終了するものであるとか、『付近』の意味する幅は100℃よりもかなり少ない数値を指すというが、窯内温度の作用効果を参酌することなしに、甲及び乙の窯内温度は特許請求の範囲の燻化温度を充足しないと判断したから、特許法70条の解釈を誤った違法があるというべきである。」

最高裁は、「付近」と言う文言の解釈の規範として、作用効果を参酌することを要求しています。つまり、「付近」という文言が付されることでクレームの数値が作用効果を奏する範囲まで広がることを示唆したと考えられます。

本件は、名古屋高裁に差し戻され、事実問題として、作用効果を参酌した技術的範囲の解釈がなされる予定でしたが、残念ながら、取り下げられました。

しかし、近似的な文言が付された数値は、作用効果を参酌した上で、一定の広がりをもつということは最高裁で確認されました。これは、近似的文言を付することで、均等に頼らずに、技術的範囲を広げることができることを意味しています。したがいまして、近似的文言を数値に付すことは、技術的範囲を広げる意味で非常に大きい意義を有すると思われます。但し、「約」「付近」等の文言は、審査段階ではかなりの確率で記載不備の拒絶理由をもらいますので、注意が必要です。

立花顕治


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2012年4月8日日曜日

詳説・多国商標出願

松井宏記弁理士が、大阪発明協会主催の下記セミナーにて講師を務めます。

「詳説・多国商標出願」
【主催】一般社団法人大阪発明協会
【協力】近畿知財戦略本部
【開催日】 平成24年6月26日(火)10:00-17:00
【開催場所】 大阪大学中之島センター
【当日のスケジュール】
10:00-11:30 外国商標出願の概要、マドプロの内容と利用方法(費用面と手続面)
11:30-13:00 Community Trademark の内容と利用方法、異議対策
13:00-14:00 昼休憩
14:00-15:30 アメリカ商標の実体と使用主義への対応、中国商標の内容と実務詳説、商標チャイナリスクへの対応
15:30-17:00 東南アジア各国法比較と注意点、 BRICS諸国における権利取得の注意点

増加傾向にある外国商標出願について、松井弁理士が基礎から中級レベルで、実務上感じていることなどを織り交ぜながら話します。

特に、弊所でも多数取り扱っているマドプロと各国出願の比較については、じっくりとお話致します。外国商標出願は、各国法や実務を理解して、ちょっとした工夫をすることにより、費用を削減することができ、また、権利も広く取得することができます。このセミナーで各国法を理解し、効率よく外国商標出願をするノウハウを得てください。

セミナーの詳細や申込は下記サイトをご覧ください。



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2012年4月4日水曜日

ランチミーティング Apr. 2012

今日は、2012年度初のランチミーティングでした。

3月末の慰労も兼ねて出かけました。
場所は、大阪を代表するホテルの地下の料理屋さん。

さすがのサービス。普通は2時間掛かるであろうコース料理も、我々の要望に応えていただき、1時間で出していただけました。料理も素晴らしい。

レクシアでは、所員の福利厚生の充実を図るための手段をいろいろと考えているところです。
今回のミーティングでは、その点について意見を聞きました。

我々は、デスクワークが中心といえども、やはり体が資本!
十分な有酸素運動により、脳の機能が活性化されます。

見た目にもスマートな弁理士あるいは弁護士でいるために、運動は欠かせません。

健康維持やリフレッシュに役立つような福利厚生を心がけようと思います。


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