大阪・中之島 レクシア特許法律事務所のブログです。

2015年2月25日水曜日

英文契約

中村です。

もうすぐ年度末。お仕事の山に戦線恐々とされている方もいらっしゃるかもしれませんが、皆様、お元気にお過ごしでしょうか?

私達はというと、弁理士は期末に忙殺される一方、弁護士は期末というよりは、株主総会の時期や年末にかけて忙しくなる傾向にあります。

私も少し前に年末からの忙しさが一段落。そこで、春節中の中国人のように昨年を振り返ってみました。
心に残っている案件の一つは、海外に活躍の場を広げられる幾つかの企業のために、英文契約書のレビューに加え、交渉相手に提示するファーストドラフトの作成や、さらに一歩進んで雛型作成のお手伝いをしたことです。
具体的には、販売特約店契約、代理店契約、取引基本契約、販売協力契約、ライセンス契約などを作成いたしました。
これまでより積極的に英文契約に対応される企業の姿勢が印象的でした。

元気な日本企業のご活躍を拝見するのは嬉しく、海外企業と根気強く契約交渉をされようとするご担当者の方々のために、万全のバックアップ体制を取りたいとの思いで対応しました。
海外企業との交渉においては、ファーストドラフトや交渉をリードするアクションが大切だと思います。
英文契約書を作成させていただく際には、ご担当者が交渉の中で臨機応変に修正できるよう、重要条項の意味やケースに合わせた応用の仕方をご説明しています。
場合によっては、電話会議やface to faceの交渉にも立ち会っています。
貴社にとって必要なポイントで選択的にご利用いただいて、満足のいく結果をゲットしていただきたいと思います。
「無事締結に至りました」とのご報告メールは、とても嬉しいものなのです。

中村小裕

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2015年2月20日金曜日

ハーグ協定&新商標セミナーの報告と、新商標の更なる検討のためのセミナー案内

松井です。

今週の17日火曜日は名古屋、19日木曜日は大阪で、
第34, 35回レクシア知財セミナー
「意匠法・商標法 改正セミナー
  (1)ハーグ協定&これからの外国意匠出願戦略
  (2)新商標&これからのブランド保護戦略」
を開催しました。
【大阪会場】

前半では、ハーグ協定ジュネーブアクトの概要を解説するとともに、その利用方法、費用試算等について、説明しました。


ハーグ協定ジュネーブアクトは、外国意匠出願をかなり安く行える方法ではありますが、そのデメリットは多いです。特に審査国を指定する場合には注意が必要です。

ハーグ協定ジュネーブアクトについては、
日本とアメリカが、2月13日に加入書を国際事務局に寄託しました。
これで、日本とアメリカで、今年の5月13日以降、ハーグ協定ジュネーブアクトによる国際意匠出願を行うことができます。

日本:経済産業省リンク
http://www.meti.go.jp/press/2014/02/20150216002/20150216002.html

アメリカ:USPTOリンク
http://www.uspto.gov/about-us/news-updates/united-states-deposits-instrument-ratification-geneva-act-hague-agreement


後半では、新商標の概要解説とともに、新商標で権利を取る意義について解説しました。

意匠や立体商標がある中で、特に、 色彩、位置、動き商標を取る意義について検討しました。また、言語的要素を含む音商標を登録する意義についても検討しました。

なお、私は、3月18日に、下記の日本商標協会の新商標セミナーにて、講演します。
パネルディスカッションもありますので、各パネラーの立場での新商標に対する見解を伺うことができます。ご興味のある方は是非ご参加ください。

日本商標協会関西支部 「新しいタイプの商標セミナー」案内
http://jta.tokyo/events/detail/117/

テーマ:「新しいタイプの商標セミナー」
対  象 : 新しいタイプの商標制度に興味がある方、同制度の利用を検討されている方、あるいは他社の出願・登録に対する自社の使用方法の検討を考えておられる方に制度の実際や対応策、活用とその効果について解説・検討する。   
日 時:3月18日(水)13:00~17:00
会 場:日本弁理士会近畿支部室 (先着順/定員140名)
    大阪市北区梅田3-3-20 明治安田生命大阪梅田ビル25階
参加費:無 料
講 師:田村祐一氏(特許庁法制専門官)
    松井宏記氏(弁理士・レクシア特許法律事務所/日本商標協会理事)
パネリスト:田村祐一氏(特許庁法制専門官)
                      松井宏記氏(弁理士・レクシア特許法律事務所/日本商標協会理事)
      堤  信夫氏(取締役執行役員 法務部長・久光製薬株式会社)
                      大向尚子氏(弁護士・西村あさひ法律事務所/日本商標協会理事)       
コーディネーター:川瀬幹夫氏(弁理士・三協国際特許事務所/日本商標協会理事)

松井宏記


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2015年2月13日金曜日

B to B企業におけるブランディングの必要性

松井です。

昨日は、近畿経済産業局主催の知財ワークショップ事業で、企業ブランディングについて講演しました。



私に与えられたテーマは、「企業ブランディングの構築、ブランド保護の手法等について」ということでした。

「ブランディング」の中に、マーケティングや製品付加価値を生かした「攻めのブランディング」と、他社使用や他社登録を排除する「守りのブランディング」があるとすれば、私は、弁理士ですので、「守りのブランディング」をお話することが多いです。意匠権や商標権を駆使してどのような権利網を築くかという出願戦略、普通名称化防止、ブランドとデザインのボーダーレス化に対応した権利取得、商標・型式・普通名称の違いと法的取り扱い、外国での守りのブランディングの必要性など。「攻めのブランディング」を行っていても、守りがしっかりしていないと経費が無駄になります。他社の登録や使用をしっかり阻止して初めて「攻めのブランディング」が生きます。

今日のワークショップには、たくさんのB to B企業の方々が参加されていましたので、B to B企業におけるブランディングの必要性についても少し触れました。私は、特定企業内でのブランドセミナーで講演させていただいておりますが、その際に講演内容のご要望でよくお受けするのが、B to B企業でのブランディングの必要性についてです。

B to B企業にブランディングなどいらないでは?との発想には、B to Bでは、イメージで商品を売るのではなく、製品のスペックなどもっと専門的な部分に購入の決め手があるからという理由があると思います。
もちろん、求められるスペックをクリアしていて、製品力が必要なのは言うまでもないです。が、その製品力で得た強みとか信用はどこに蓄積されるのでしょうか。取引先の頭の中に自社のイメージが定着できる場所はあるでしょうか。自社の強みとか信用が顧客の頭の中で散乱して消える前に、どこかに定着させる必要があります。
そのためには、イメージ統一の一環として、社内の事業間での商標・型式等の表示の使用方法・使用態様のルールは統一すべきです。事業間での良いイメージを共有できれば、顧客内によりよい会社のイメージが定着されるはずです。
従来事業で得た強みとか信用の基礎の上に、新規事業が足場を崩されることなく伸びていくのがいいのではないでしょうか。また、日本企業が外国に進出する際に、きっちりとしたブランド戦略に則って、自社をアピールしないと、日本のみならず国際的なビジネスの場でも印象付けられないと思います。B to C企業のみならず、B to B企業においても、イメージ統一から手始めに、ブランディングをきっちりと行う必要があります。

・・もちろん、言うは易く行うは難しです。まずは社内体制からという企業が多いのは承知しております。
そこで、実例については、企業の商標担当の方から、社内体制の整備についてお話を具体的にお伺いすることができました(しっかりとした組織・仕組みをお持ちで素晴らしい!)。

また、B to B企業における「攻めのブランディング」方法については、コンセプトディレクターの方からいい話を聞きました。ここで書いてしまうとネタバレになるので書きませんが。。明快で大変面白い!

ワークショップの後半では意見交換会を行い、個別企業の質問に講演者が答えました。ここでも、中小企業が持つブランディングのリアルな悩みを聞くことができて、私も勉強になりました。

このようなワークショップには、今後も積極的に参加したいと思います。

松井宏記

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2015年2月4日水曜日

登録商標「ひつまぶし」にまつわる話

松井です。

先日、名古屋で、うなぎ料理で有名な「あつた蓬莱軒」に行ってきました。
さすがは有名店。開店と同時くらいに行きましたが、既に人だかりができています。
受付の方の手際がよく、私は10分ほど待っただけで店内に入れました。

そして、でました「ひつまぶし」。おいしい〜!


メニューに、〜登録商標〜「ひつまぶし」とあります。


以前、名古屋の方に聞いたことがありましたが、その辺、商標実務家としては気になります。。

IPDLで調べると、確かに、登録1996631「ひつまぶし」で登録済みです。


しかし、商品での登録です。指定役務「飲食物の提供」はどうなった?
と思っていると、またも別の名古屋の方から、ダメだった・・との情報を得ました。

今度は審決検索で調べると、確かに、不服2006-25186で、平仮名「ひつまぶし」は「第43類 飲食物の提供」で、3条1項3号に該当と判断されていました。

審決理由抜粋---
「「ひつまぶし」の文字(語)は、現在において、鰻料理を提供している各店舗における料理名の一つとして一般に使用されていること前記1のとおりであり、本願商標は、その指定役務との関係において、鰻を細かく刻んでご飯にまぶした料理の提供であると理解するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を有しないものであるといえるから、請求人(出願人)の使用の事実、あるいは商品における登録商標があるとしても、その主張は採用することができない。」

飲食店の特殊な料理の料理名(商標)は、普通名称を当ててあげないと識別力を無くします。他の人がその料理を何と呼んだらいいかわからず、商標で呼んでしまうからですね。これはどの分野にも言えます。

私自身、遅れ馳せながら、「ひつまぶし」事件を初めて知りましたので、いろいろと調べて勉強になりました。

松井宏記

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