大阪・中之島 レクシア特許法律事務所のブログです。

2014年7月16日水曜日

新しいタイプの商標・雑感

松井です。

いわゆる新しいタイプの商標については、来年度の改正法施行に合わせて、産構審商標制度小委員会商標審査基準ワーキンググループにて、商標審査基準の改訂や新設が進められています。

当該ワーキンググループでの議事内容や配布資料を読んでいますと、概ね、新しいタイプの商標には、本来的識別力は認められず、使用による識別力を獲得、又は、何らかの使用立証をすることによって登録に至る方向性かなと思います(もちろん、現時点では未確定です)。
特に、現時点で話し合われている「色彩のみからなる商標」や「音商標(言語的要素を含まないもの)」については、本来的識別力は認められず、審査段階等における使用立証は求められるのではないかと思われます(サウンドロゴのような企業が創作した音については本来的識別力ありかもしれませんが)。

新しいタイプの商標は、該当するような商標をお持ちの会社にとっては興味深いものと思われます。しかし、使用による識別力が求められるとなると、登録のハードルは高くなり、初期の商品形態やパッケージに関する立体商標のように、利用価値がなかなか上がらないかもしれません。

新しいタイプの商標については、効果的に商標権を取得することができれば、ブランド価値保護に大きく貢献できると思いますが、これから使用するなど新規性がある場合には、意匠での保護(特に位置商標)を検討するのがよいと思います。また、新規性が無い場合には立体商標を活用した方がいい事例もあろうかと思います。特に、商品形態やパッケージに関する立体商標は、登録例が増えてきて、権利行使事例も出てきていますので、利用価値が随分上がってきています。

これからは、意匠、立体商標、新しいタイプの商標の出願を効果的に選択し又は組み合わせることが求められます。
意匠と商標のリンクする分野が増えてきて、「意匠と商標によるハイブリッド・プロテクション」の時代に突入すると考えています。

【USA及びCTMでの新しいタイプの商標の事例】


松井宏記

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