意匠の勉強会の紹介です。
関西特許研究会(KTK)には、「意匠実務研究班」があります。
私は、この研究班にほぼ毎回参加しています。2ヶ月に1回のペースで開催されます。
昨日もこの研究班の会合に参加してきました。
意匠の審判決で気になるのは、意匠の類似の判断主体(人的基準)が、「看者」「需要者である看者」「需要者」「需要者たる○○○」などのようにケースバイケースで変化することです。実質的には変化していないのかもしれませんが、気になります。
意匠法24条2項で意匠権の類似範囲を定める人的基準は「需要者」と定められており、それに反応する形で意匠法3条1項3号の新規性の類似範囲を定める人的基準についても審査基準が改正されて「需要者(取引者を含む)」になりました(改正前からそのように運用されていたが明確にしたというのが正しいと思います)。
ところが、多くの審判決では、需要者とせずに「看者」という大きな概念(当業者も看者になり得ると思います)が使われて依然としてぼかされています。これがまた意匠の類否判断が分かりづらいと思われる一因と思います。
審判決では、要部認定や類否判断の前提となる人的基準については、「需要者」と明言し、さらには「需要者である○○」のように、需要者は誰か(例えば、パチンコ機の意匠であれば、パチンコホール業者ではなく、ユーザーである遊戯者など)を特定した方が意匠の類否判断がしやすくなるのではないかと思います。ちなみに、私は「需要者」は具体的には購入者ではなく「ユーザー」と捉えた方が類否を誤りにくいと考えています。この辺りについては、ただいま論文を執筆中ですので、そちらで詳しく述べることにします。
・・・・とまあ、こんな感じで、研究班では意匠について語り合った後は、懇親会になります。
【意匠について語り合った後の懇親会】
昨日は、名古屋から、弁理士ブログで人気の弁理士も参加されており(私もこちらのブログは楽しく読ませていただいています)、意見交換を行うことができて楽しかったです。
また、次回もよろしくお願いします!
松井宏記
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