山田です。
2月29日の日経新聞に
「米ヤフーが、特許侵害とフェイスブックに警告 米紙報道、提訴も示唆」
との記事が掲載されていました。
報道からは、事案の詳細は明らかではありませんが、仮にヤフーがフェイスブックを訴えることになれば、ソーシャルメディアの分野で大手企業同士が争う最初の法廷闘争になります。
また、スマートフォンやタブレットの分野では、アップルとサムソンの訴訟などが世界的に展開されており、知財訴訟を経営戦略上のツールとして積極的に活用しようという動きが拡がりを見せています。
知財に関する紛争を何でもかんでも裁判に持ち込むことが良いことなのかどうかは評価が分かれるところかも知れませんが、知財訴訟を戦略的に活用することの意義と訴訟に巻き込まれることのリスクを十分に理解しておくことが重要であることは間違いありません。
企業の代理人として知財訴訟を担当していて最近感じるのは、日本の知財訴訟制度は非常によくできた制度であるということです。米国のように億単位の代理人費用がかかることもありませんし、スムーズにいけば1年程度で第一審の判決を得ることができます。
訴訟手続も比較的シンプルで、判決の質も諸外国と比べて比較的安定しています(自分が負けた判決はボロクソに言うかもしれませんが・・)。
世界的に特許を侵害されているような案件では、まずに日本で訴訟を起こし、日本の裁判所で有利な判決を取り、それをもとにアメリカでの和解を引き出すというような戦略も十分に考えられるのではないかと思います。
知財の訴訟を起こすとの決断は、企業の知財担当者の方にとって勇気の必要な重要な決断だと思いますが、重要なのは、知財訴訟を1つの強力な武器ととらえ、経営戦略上の選択肢として排除しないことではないかと思います。
山田威一郎
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