大阪・中之島 レクシア特許法律事務所のブログです。

2012年3月23日金曜日

中国商標リスク(日中流通対話 in 北京)

松井です。


22日、日中の流通分野の課題を話し合う「日中流通対話」が、北京で初めて開かれたとの報道がありました (NHK news)。日本から経済産業省の豊永商務流通審議官ら、中国からは商務省の向欣流通業発展局長らが出席されました。

日本政府は、中国での剽窃出願による被害を伝えた上で、中国商標審査の厳格化と迅速化を求めたようです。

政府レベルでの直接対話がなされたことは重要と考えます。

実務・現場レベルでも、直接対話による交渉は中国において重要な意味を持ちます。こちらから具体的な要望を伝えることにより、相手も要望を理解でき、事案が動くこともあります。また、上級な公職の方との面談には、こちらも相応の人物に同行していただく必要があります。人選能力と人脈が必要になります。実務・現場レベルでは、このような交渉の前提を把握しておく必要があります。

今回の日中政府間の直接対話によって、よりよい方向に中国商標実務が向かうことを期待します。

以前の「中国商標リスク」でも申しましたが、中国商標リスクを回避する特効薬は、どこまで(どの商品役務まで)他人を排除するかについて社内で意思統一を行った上で、その範囲で少しでも早く商標出願することです。
そして、出願に際しては、商標のタイプ(アルファベット、簡体字、ピンイン、図形と文字との組み合わせなど)の権利範囲の違いを理解した上で、各商標について、社内で意思統一のとれた商品役務を押さえる必要があります。

松井宏記


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