フランス高級ブランドのエルメスが、中国で、エルメスの中文商標である「愛瑪仕」を他社に商標出願され、その取消(報道では「撤回」の言葉を使用)が認められなかったとの報道がありました。
相次ぐ商標権紛争、今度はエルメスが中文商標問題で敗訴―中国
報道によりますと、エルメスは1977年に「HERMES」の英文商標とロゴデザインについては商標登録出願していましたが、自己の中文商標である「愛瑪仕」は申請していなかったようです。
その一方で、1995年、中国の達豊製衣公司が中文商標「愛瑪仕」を申請しました。エルメスはこの商標の取消を求めましたが、評審委員会及び裁判所でも取消は認められなかったとのことです。
先日のLEXIA商標セミナーでも話題になりましたが、
中国では、アルファベット商標を取得したからといっても、その中文商標まで他社出願の登録や使用を必ず阻止できるわけではなく、並存してしまう事例が多くあります。
日本におけるアルファベット商標とカタカナ商標の関係と同じではありません。
一般論として、称呼よりも外観が重視されやすい中国商標実務に留意が必要です。
中国商標リスク排除という観点では、アルファベット商標に対する中文商標(簡体字商標)の権利取得も忘れずに行うことをお勧め致します。
(先日の中国商標セミナーで中文商標についてディスカッションしている様子)
松井宏記
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